第5章 スペクションを計画する -計画-

  1. モデレータを指名する
  2. インスペクション対象物を選定する
  3. インスペクション対象物がインスペクションに提出できる状態か判断する
  4. インスペクションへの参加者を選び、役割を割り当てる
  5. インスペクションパッケージを作成する
  6. これ以降のインスペクションの各段階のスケジュールを立てる

5.1 いつインスペクションを行うか

  • 一般的には成果物が承認されるための最終的なフィルタとみなされる
    • 必要な場合は適宜 ピアレビューを実施すべき
  • 大規模な成果物の場合、初期のインクリメントの時点
  • コードの場合、単体テストの手前

5.2 インスペクションのモデレータ

  • 訓練を受けたモデレータが行うのが望ましい
  • 技術力のある人が望ましい

5.3 インスペクション対象物を選定する

  • 最も効果の出そうなところにインスペクションのリソースを傾ける。
    • 全体に影響する箇所
    • セキュリティ
    • 手戻りコストが高い

5.4 インスペクションの開始基準

  • 参加者全員がインスペクションプロセスの訓練を受けている
  • 先行成果物はインスペクションに合格している
  • スペルチェック済み、校閲済みであること
  • バージョン識別子が振られていること
  • 標準に沿っていること
  • 未解決の問題は全て記されていること
  • 行番号が振られていること
  • コンパイルが通ること
  • 静的解析ツールの指摘が修正されていること
  • インスペクション予定のコードが特定されていること

5.5 役者をそろえる

  1. 作業成果物について建設的なフィードバックをもらえる人
  2. 意欲的に参加してくれる人

5.5.1 インスペクタの視点

  • 多様な視点を持つインスペクタを集めるとよい
  • 作成者
  • 先行成果物作成者
  • 作業成果物を元に仕事をする人
  • インターフェースをもつ作業成果物の担当者

5.5.2 管理者とオブザーバ

  • インスペクション結果を評価に使用しない限り管理者の参加を制限する必要はない
  • インスペクションに積極的に参加しないオブザーバの参加は制限すべき

5.6 インスペクションパッケージ

  • インスペクションされる初期成果物
  • 先行文書
  • 関連基準や参考文献
  • 誤字誤植一覧表や個別課題ログ
  • チェックリストや規則、規約
  • テスト文書

5.7 インスペクション速度

  • 1時間当たり3-4ページ

5.8 インスペクションのイベントをスケジュールする

  • 概要説明の必要性の有無を判断
  • ミーティング開催通知を送信
    • インスペクションミーティングは最低1週間前に計画する
    • インスペクションの準備のため2,3労働日を与える必要がある